今回は7/17日経新聞掲載の「多角化企業に改革迫る」について書いていきたいと思います!
昨今のトレンドは事業の多角化によって企業を安定させようというものです。
実際、私も就職活動の際は、志望動機の一つとしてよく使っていました笑
しかし、上記記事はこの”多角化企業”にも問題点があると指摘しています。どういうことなんでしょうか?
早速、多角化について勉強していきましょう!
①事業の多角化がプラスに働かない時とはどんな時か
②実際に多角化に成功している企業と失敗した企業
目次
事業の多角化とは
事業の多角化とは、一つの事業に特化することを避けて関連事業や全く別個の事業も手掛けることによって、企業の安定的な成長・事業間のシナージ効果・リスクの分散を目指すというものです。
多角化企業の代表的な企業でいうと、オリックスを挙げることができるでしょう。オリックスは自身の事業を”多角的金融業”と言っておりリース以外にも自動車・銀行・カード・レンタル・システムなど多様な領域を扱っています。
多角化のリスク
ここからは日本経済新聞の言葉を借りながら、かみ砕いた形で皆さんにもお伝えしていきます!
多角化のリスクは、大きく分けて2つに集約され、結果として一つの結果を生み出しやすい状況が生まれているようです。
※あくまで他の書籍やニュースなどを見た中で、自分の見解を多分に含んだ内容となっているので当該新聞の内容そのものを知りたい方はそちらをご覧ください。
リスク:①方向性がぶれる
②事業間シナジーが発生しない
結 果:株価割安により経営基盤脆弱に
1つ目のリスク
1つ目のリスクは、企業の目指すべき姿が不明確になってしまうという事です。
これも考えてみれば当然の話で、個人でも色々なことに手を出し始めると結局何を目標に行動すべきか分からなくなることがあります。個人であればそれでもとりあえ企業に乗っかて働いていれば何とかなるかもしれませんが、企業ではそうはいきません。
数多くの人間の集合体である企業の目指すべき位置がぶれてしまうようでは、一人ひとりの社員の行動もまとまりのない結論を生むことに繋がってしまいます。このような状態が続くと最後には不正や法律違反を引き起こすことにも繋がるでしょう。
以上が1つ目のリスクです。
2つ目のリスク
2つ目のリスクは、上記にも関連しますが多角化による事業間のシナジーが発生しずらいと言うことです。確かに事業のリスク分散とシナジーの両立は難しい問題であり、往々にして独立した事業を別個に行っていることは想像に難くありません。
これも事業間シナジーが生まれないことで、自社で行う意義を失い、ひいては企業の安定性をも損なうことにつながるでしょう。
結果
以上のリスクから引き起こされる結果が、株価が割安で留まることです。株主も今の時代は多角化に対して厳しい目を向けており、実際に多角化を推進している大手有名企業の株価は割安で、事業の分離を始めた企業の株価は大きく伸びるといったことが確認されています。
また、実際に日本の企業が事業の多角化に失敗した結果、優良部門まで手放さなければならない事件も起きており、その面でのリスクはやはり大きなモノと言えるでしょう。実際日本の家電業界はどこも多かれ少なかれその現象に陥いり、少しづつ変わっていく方向にあるようです。
多角化に失敗した例
東芝:原発事業に手を出し大火傷
企業の多角化についてのリスクを書きましたが、むしろ個人においては多角化万歳だと思っています。現在はAI時代を見据えて専門的な知識を深めることが勧められることもありますが、私個人としてはまずは幅広い視野を持ち、その中から生み出せるものがあるんじゃないかと考えているので、とにかく色々なことに挑戦してみると良いのかなと思います。私が尊敬しているスティーブジョブズも”connecting the dots”と言って色々な経験が結果につながるという事を言っており、私自身も多角化については努力しています。
結論
多角化は時代遅れか、という観点でいうと上記のリスクを解消できているかどうかにかかっているでしょう。従って企業を選ぶ際も、多角的企業=良い企業という構図ではなく、真にメリットのある多角化かどうかを確認・質問するようにしましょう!
また、自分自身がビジネスを立案する際も、その事業が他事業とどのような関係になって結果としてシナジーが起きるのかしっかり説明できるようにしておきましょう!!