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はじめに|AIデータセンターで足りないのは、電気を届ける設備
AIのデータセンターに関連する株というと、半導体や大手の電源メーカーが思い浮かびます。ただ、調べていくと足りていないと言われているのは電気を届ける設備のほうで、その設備を作る米国の中型株には、日本語の解説がほとんどありません。
この記事では、データセンターの電力やサーバーに関わる米国企業から、一過性を除いた営業利益率が15%以上で、増配か自社株買いの実績がある4社を取り上げます。4社とも、52週高値(直近1年間でいちばん高かった株価)から18〜50%下げた水準にありました。一社ずつ、データセンターとどのくらい近い会社か、その利益率は実力か、株価はその会社自身の過去5年と比べてどのあたりにあるかを見ていきます。
- 株価と、株価から計算する指標(時価総額・PER・PBR・配当利回り)、過去5年のPBRの位置は2026年9月18日の米国市場の終値です。円換算は1ドル156.32円(三菱UFJ銀行公表・同日)です。
- 業績は本決算(年次報告書の10-K)の数字だけを使っています(四半期のぶれを避け、会社が通期で確定させた数字で比べるため)。
- 上の動画は2026年9月26日に公開したもので、本記事は動画と同じ数字で文章にし、表にまとめました。過去5年のPBRの位置は、記事のために当ブログで計算して足したものです。動画のあとに出た決算は、該当する会社の節に【2026年10月追記】で足しています。
- AIデータセンターの電力やサーバーに関わる、米国の高収益株4社の一覧
- 各社がデータセンターとどのくらい近いか
- 見かけの利益率と、一過性を除いた実力の利益率の違い
- 過去5年のPBRで見た、4社の株価の位置

【結論】AIデータセンター関連の米国株4社の一覧
先に4社の一覧です。何を作っているか、データセンターとの距離、営業利益率、52週高値からの下げ、株価がその会社自身の過去5年のPBRの中でどのあたりにあるかを並べました。社名を押すと、その会社の解説に飛びます。
| 社名 | 何を作るか | データセンターとの距離 | 営業利益率 直近の本決算 |
高値から | PBRの位置 過去5年の中で |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1章 電気を届ける設備 | |||||
| パウエル・インダストリーズ POWL |
中圧スイッチギア(大型の配電盤) | 近い:会社そのものが電力設備 | 19.7% | −43.9% | 高い方 |
| スタンデックス・インターナショナル SXI |
計器用変成器(電気を測る部品)など | 中くらい:変成器は全社の1〜2割 | 15.3% 売却益を除く |
−28.2% | 高い方 |
| AZZ AZZ |
溶融亜鉛めっき(鉄塔などの鋼材の防錆) | 遠い:10-Kに「data center」の語なし | 16.0% | −18.2% | 真ん中あたり |
| 第2章 サーバーのメモリ | |||||
| ランバス RMBS |
メモリの信号を中継するチップ | 近い:サーバー用メモリ1枚に原則1個 | 36.8% | −49.7% | 真ん中あたり |
※2026年9月18日終値。距離とPBRの位置は、10-Kと株価から当ブログが整理・計算したものです。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。
4社とも利益率は高く、株価は高値から下げています。ただ、高値から下げたことと、安いことは別です。過去5年のPBRで比べると、パウエルとスタンデックスは高い方にあり、半値まで下げたランバスでも真ん中あたりでした。また、4社とも高値は2026年5〜6月で、そこから9月18日までに市場全体(S&P500)は上がっています。
この記事の物差し|株価は「その会社自身の過去5年」
株価の高い安いは、業種や市場の平均ではなく、その会社自身の過去5年のPBRと比べます。2021年9月〜2026年8月の各月末の終値(Yahoo! Finance・分割調整後)を、その時点で提出済みの直近の10-Kの1株純資産(自己資本÷表紙の発行済株式数・当ブログ計算)で割った値と比べ、9月18日の値が過去の月末の下から何%にあるかで、30%未満=低い方、30〜69%=真ん中あたり、70%以上=高い方としています。「計算上の株価」は今の1株純資産×過去5年のPBRの中央値で、株価の予想ではありません。同じ見方はPBR1倍割れの割安株9選|財務と稼ぐ力で絞った9社を「安い3つの理由」で読む【2026年9月時点】でも使っています。
- 4社の選び方:データセンターの電力やサーバーに関わる米国企業から、①米国上場で時価総額20億〜150億ドル(約3,100億〜2兆3,400億円)②一過性の利益を除いた営業利益率15%以上 ③増配か自社株買いの実績(パウエルは増配の実績で満たしています)④日本語の解説動画がほとんど無い、の4つで選びました。候補は10社以上ありましたが、営業利益に一時的な和解金が入っていた会社や、自社株買いの枠を承認しただけで3年間実行していない会社が落ちました。
- PER=株価÷直近の1株利益(実績)、PBR=動画の表は直近の本決算の自己資本÷今の発行済株式数。過去5年の位置は10-Kの表紙の株数で計算しているため、判定に使ったPBRは表の値とわずかに違います(パウエルは表の10.5倍に対して10.41倍)。
- 株価の動き:年初から=2025年12月末の終値比、52週高値・安値=直近1年の幅、5年=5年前比。高値の日と、その日から9月18日までのS&P500・ナスダックの動きは、Yahoo! Financeの日足から当ブログが計算したものです。
- 業績の予想:動画のあとの決算と修正は、記事作成時点(2026年10月31日)までに各社の発表で確かめた範囲で書きました。パウエルは9月期の本決算が11月に出る見込みです(前年は11月18日。今年の日付は確かめられていません)。
- 米国株の注意:為替の影響を受けます。配当には米国の源泉税がかかり、日本でも課税されるため、二重課税の調整には確定申告の外国税額控除の手続きが必要です。
日本にも、同じ分野の会社があります。富士電機、東光高岳、ルネサスなど、この記事に出てくる会社を業界ごとに見渡すなら、一覧できる本が手元にあると早いです。毎年8月頃に新しい版が出ます。

なぜ電気の設備か|背景と選び方
動画では00:15からの部分です。
米国最大の電力市場を運営するPJMは、2027年度から2028年度のピーク需要の見通しを5,250メガワット引き上げ、その増加分の97%(約5,100メガワット)がデータセンター由来だとしています(2025年12月17日発表)。米国全体ではなく、PJM管内の増加分の話です。
調査会社のウッドマッケンジーは、米国のデータセンター向け電気機器市場が2025年の200億ドルから2030年に650億ドルへ広がると予測しています(2026年4月28日発表)。中でも中圧スイッチギアは、必要な台数が786台から4,698台へ、5年で約6倍になる見通しです(6倍なのは台数で、市場全体の金額は3.25倍です)。
データセンターの裏方としてはヴァーティブが知られていますが、時価総額はすでに約15兆円です。今回の4社は、約4,955億円〜約1兆4,850億円で、その10分の1以下です。

第1章|電気を届ける設備の3社
第1章は、電気を受け取って配る盤、電気を測る部品、送電設備の鋼材を守るめっきの3社です。データセンターとの距離は、この順に遠くなります。
- パウエル・インダストリーズ:中圧スイッチギア。営業利益率は5期で0.2%から19.7%に
- スタンデックス・インターナショナル:計器用変成器。ただし全社の1〜2割の事業
- AZZ:溶融亜鉛めっきの北米1位。データセンターとの関係は間接的
パウエル・インダストリーズ(POWL)|利益率0.2%→19.7%、それでも高値から43.9%安
動画では02:57からです。
データセンターとの距離:近い。ただし顧客はデータセンターだけではない
株価の位置:PBR10.5倍で過去5年の高い方。高値から43.9%下げても指標は高い水準
| 市場・従業員 | 米国上場(POWL)・3,143名 |
|---|---|
| 売上高(5期・9月期) | 470.6→532.6→699.3→1,012.4→1,104.3百万ドル(2025年9月期は約1,726億円) |
| 営業利益率(5期) | 0.2→1.4→8.9→17.7→19.7%(一過性の収益なし) |
| 株価/時価総額 | 183.96ドル/67億ドル=約1兆473億円(2026年4月に1株を3株に分割) |
| PER/PBR | 37.2倍(分割調整後EPS 4.95ドル)/10.5倍 |
| PBRの過去5年 | 0.75倍(2022年4月)〜16.21倍(2026年6月)・中央値4.22倍=高い方(今より低かった月は93%)。計算上の株価は約75ドル |
| 配当・還元 | 配当利回り0.20%(年0.36ドル)。2026年2月の増配は+0.93%で実質据え置き。自社株買いは2017年以降ゼロ |
| 株価の動き | 52週レンジ92.30〜328.00ドル・高値から−43.9%/年初から+73.1%/5年22.5倍 |
強み|ごく少数の競合の中で、利益率を上げてきた
10-Kで会社は、競合をABB、イートン、シュナイダー、シーメンスの4社と名指しし、競争相手はごく少数の多国籍企業と、能力の限られた地場の会社だと書いています。シェアの開示はありませんが、寡占に近い市場だと読めます。ABBの送配電事業は2020年に日立が買収し、2022年12月から100%子会社(日立エナジー)になっていて、その売上198億ドル(2025年度)はパウエルの約18倍です。
日本で製品構成がいちばん近いのは富士電機です。同じ種類の製品を扱う施設・電源システムの売上は1,440億円で、パウエル全体とほぼ同じ規模ですが、富士電機では3,964億円あるエネルギー部門のさらに一部です。
なぜ利益率が跳ねたか|事業がそのまま会社
日本の大手では一部門にあたる事業が、パウエルでは会社そのものです。そのため、電力設備の需要が薄まらずに業績へ出ます。売上は5期で2.3倍になり、利益率は0.2%から19.7%へ上がりました。裏を返せば、需要が落ちたときも薄まらずに響く構造で、0.2%の時期があったこと自体がその証拠です。
株価の位置とひとこと
5年で22.5倍になったあと、2026年5月11日の高値328ドルから43.9%下げています(日中の高値比)。同じ5月11日から9月18日までにS&P500は+3.2%で、市場全体が下げたわけではありません。下げた理由は会社の発表では特定できません。8月3日の第3四半期の決算の翌日は−3.8%で、高値からの下げの多くは決算の前に起きています(8月3日までに終値で−31.8%)。それでもPBRは過去5年の高い方で、中央値4.22倍での計算上の株価は約75ドルです。5年前のPBRが1倍前後だったので、この中央値には利益率が低かった時期が含まれている点には注意が要ります。
安くなったというより、過熱が少し冷めた段階だと思います。動画での個人的な見方は、データセンターの需要がまだ伸びると読むなら一考の余地はある、というものでした。確かめるのは、次の本決算で利益率が新しい水準として定着しているかです。
スタンデックス・インターナショナル(SXI)|見た目21.7%、実力15.3%の利益率
動画では06:54からです。
データセンターとの距離:中くらい。変成器は全社の1〜2割の事業
株価の位置:PBR4.2倍で過去5年の高い方。PER30.1倍のもとのEPSには売却益が入っている
| 市場 | 米国上場(SXI)・1964年11月上場 |
|---|---|
| 売上高(5期・6月期) | 735.3→741.0→720.6→790.1→891.6百万ドル(直近は2026年6月期) |
| 営業利益率(5期・売却益を除く) | 12.0→14.7→14.1→11.8→15.3%(決算書の見た目は直近21.7%) |
| 株価/時価総額 | 261.21ドル/31億7,000万ドル=約4,955億円 |
| PER/PBR | 30.1倍(EPS 8.67ドルに売却益を含む)/4.2倍 |
| PBRの過去5年 | 1.96倍(2022年9月)〜6.07倍(2026年6月)・中央値3.12倍=高い方(今より低かった月は88%)。計算上の株価は約194ドル |
| 配当・還元 | 配当利回り0.52%(年1.36ドル)。上場以来248四半期連続の配当(62年) |
| 株価の動き | 52週レンジ199.80〜363.89ドル・高値から−28.2%/年初から+20.2%/5年2.6倍 |
強み|データセンターが市場の最大の押し上げ要因
会社の投資家向け資料によると、データセンター1棟に入る計器用変成器は5万〜30万ドル分で、中圧・低圧のスイッチギアに組み込まれます。市場の成長率12〜21%のうち、データセンターが4〜8ポイントを占めています。一方で、会社の資料が示す世界の市場規模115億ドルのうち、実際に戦っている中核市場は8億ドル(7%)です。日本で同じ製品を作る代表格の東光高岳は、計量事業が前期−0.1%でした。
その利益率は実力か|売却益を除いて見る
決算書の営業利益率は直近21.7%ですが、事業の売却益5,710万ドルが入った数字で、除いた実力は15.3%です。2023年6月期にも同じことが起きています。また、変成器単独の売上は開示がなく、会社の資料で電力網向けが2025年6月期で全社の11%、決算説明会の説明で買収した2社が約1億4,800万ドル(全社の約17%)です。数え方は違いますが、いずれも全社の1〜2割の事業で、会社全体がデータセンターの会社というわけではありません。
株価の位置とひとこと
高値は2026年6月30日で、9月18日までにS&P500は+2.0%でした。7月28・29日の2日で11.4%下げたのは、7月30日の本決算の直前です。理由は会社の発表では特定できません。PBRは過去5年の高い方にあり、計算上の株価は約194ドルです。PER30倍も売却益込みなので、実力ではもう一段高いと見るべきだと思います。動画での個人的な見方は、62年途切れていない配当は安心材料だが、利回りは0.5%で配当目当ての株ではない、というものでした。確かめるのは、データセンターの追い風が全社の業績をどこまで押し上げるかです。
AZZ(AZZ)|溶融亜鉛めっきの北米1位、データセンターとの距離は4社で最も遠い
動画では10:36からです。
データセンターとの距離:遠い。10-Kに「data center」の語はなく、送電網が増えれば要るという間接的な関係
株価の位置:PBR3.0倍で過去5年の真ん中あたり。高値からの下げは4社で最も浅い
| 市場・従業員 | 米国上場(AZZ)・3,767名 |
|---|---|
| 売上高(5期・2月期) | 525.6→1,323.6→1,537.6→1,577.7→1,650.1百万ドル(直近は2026年2月期) |
| 営業利益率(5期) | 15.1→13.1→14.4→15.0→16.0%(めっき事業は26.8%) |
| 株価/時価総額 | 132.72ドル/39億9,000万ドル=約6,237億円 |
| PER/PBR | 21.4倍(会社開示の調整後EPS 6.19ドル)/3.0倍。EPS 10.50ドルは合弁の売却益2億450万ドル込み |
| PBRの過去5年 | 1.02倍(2023年5月)〜3.89倍(2026年2月)・中央値2.24倍=真ん中あたり(今より低かった月は68%で、高い方に近い)。計算上の株価は約100ドル |
| 配当・還元 | 配当利回り0.60%(年0.80ドル)。7期据え置きのあと2年続けて二桁の増配。2026年2月期に3年ぶりの自社株買い2,000万ドル |
| 株価の動き | 52週レンジ92.98〜162.20ドル・高値から−18.2%/年初から+23.8%/5年2.5倍 |
強み|シェアの根拠は4社でいちばん堅い
投資家説明会の資料(2026年5月28日)に、溶融亜鉛めっきは28億ドルの市場でシェア約27%の1位と明記されています。業界団体の統計でも北米175工場のうちAZZが42で24%と、数字は合います。ただし北米の話で、世界1位ではありません。
日本で同じように製品を亜鉛の槽に漬ける「後めっき」は78社95工場、1社平均1.22工場の地場産業です。AZZは1社で日本全国の工場数の44%にあたる数を持っています。日本の生産量は4年で15%縮みましたが、AZZのめっき事業の売上は+14.1%でした。
その利益は実力か|EPSの10.50ドルは見かけ
出回っているEPS 10.50ドルは、40%出資する合弁会社が事業を売った利益が乗った数字です。会社が実力値として開示する調整後EPS 6.19ドルで計算すると、PERは21.4倍です。また、会社が売上の伸びた理由に名指ししているのは送電・配電で、データセンター銘柄というより、送電網の建設ペースに左右される会社です。
株価の位置とひとこと
高値は2026年6月25日で、9月18日までにS&P500は+4.0%でした。データセンターとの関係が4社でいちばん遠い分、株価の下げも浅く、調整後のPERも21倍と落ち着いた水準だと思います。PBRは過去5年の真ん中あたりで、計算上の株価は約100ドルです。動画での個人的な見方は、増配と自社株買いの再開は稼ぐ力に経営陣が自信を持ち始めたサインだが、還元を続ける会社になるかはまだ見極める段階、というものでした。

第2章|サーバーのメモリの1社
第2章は、電力ではなくサーバーの中の部品を作る1社です。
ランバス(RMBS)|利益率36.8%で4社の最高、ただ順位は3番手でPERは41.5倍
動画では14:28からです。
データセンターとの距離:近い。ただし電力ではなくメモリ
株価の位置:PBR7.0倍で過去5年の真ん中あたり。高値からの下げは4社で最大
| 市場・従業員 | 米国上場(RMBS)・791名・保有特許2,049件 |
|---|---|
| 売上高(5期・12月期) | 328.3→454.8→461.1→556.6→707.6百万ドル(直近は2025年12月期) |
| 営業利益率(5期) | 7.4→16.9→13.6→32.9→36.8%(2023年の見た目33.3%は事業売却益9,080万ドルを除いて13.6%) |
| 株価/時価総額 | 87.60ドル/95億ドル=約1兆4,850億円 |
| PER/PBR | 41.5倍(EPS 2.11ドル)/7.0倍 |
| PBRの過去5年 | 2.72倍(2022年6月)〜11.49倍(2026年5月)・中央値6.11倍=真ん中あたり(今より低かった月は63%)。計算上の株価は約77ドル |
| 配当・還元 | 無配。自社株買いは2025年に710万ドル(前の年は1億1,330万ドル) |
| 株価の動き | 52週レンジ77.89〜174.10ドル・高値から−49.7%/年初から−4.7%/5年3.9倍 |
強み|規格に守られ、3社で9割超の市場
中国の同業Montageが香港上場の際に調査会社へ委託した推計(草案)では、2024年の世界のメモリ用インターフェースチップの市場11億7,000万ドルのうち、Montageが36.8%、ルネサスが36.0%、ランバスが20.5%で、3社で9割超を占めます。ランバスは首位ではなく3番手です。10-Kには競合としてルネサスの名前があり、日本企業と正面からぶつかっている会社です。
なぜ利益率が高いか、続くか|3番手で36.8%
直近の36.8%は一過性を含まない数字で、4社で最も高い利益率です。ランバスの売上はチップだけではなく、保有特許2,049件などからのロイヤルティや契約の収入もあり(下の追記の第3四半期では、製品が約半分)、費用の少ないこうした収入が全社の利益率を押し上げている面があると思います。ただ、順位は3番手で、上位2社と争いながらこの利益率を保てるのか、競争で削られていくのかが最大の論点です。
株価の位置とひとこと
高値は2026年6月3日で、その2日後の6月5日に1日で14.2%下げました。9月18日までにナスダックは−1.2%、S&P500は+1.3%で、市場全体の動きでは説明がつきません。理由は会社の発表では特定できません。半値まで下げてもPERは41.5倍と4社で最も高く、市場はまだ高い成長を期待していると思います。PBRは過去5年の真ん中あたりで、計算上の株価は約77ドルです。動画での個人的な見方は、規格に守られた強い立ち位置だが、事業の伸びそのものを見る株、というものでした。

AIデータセンター関連株を見るときの3つの点
動画の最後(17:30から)も踏まえて、4社を見て分かった点を整理します。
| 確かめる点 | 4社で見ると |
|---|---|
| ① データセンターとの距離 | パウエルとランバスは近いが、スタンデックスは全社の1〜2割、AZZは10-Kに語がない。同じ「関連株」でも効き方が違う |
| ② 一過性を除いた利益 | スタンデックスの21.7%→15.3%、ランバスの2023年33.3%→13.6%、AZZのEPS 10.50→6.19ドル。4社中3社で見た目と実力に差があった |
| ③ 高値でなく、過去5年と比べる | 高値は4社とも2026年5〜6月で、そこから市場全体はほぼ横ばいか上昇。18〜50%安でも、過去5年のPBRでは高い方が2社、真ん中あたりが2社で、低い方は0社 |
| 会社 | 売上(5年前→直近) | PER/PBR | 配当利回り | 5年の株価 |
|---|---|---|---|---|
| パウエル | 2.3倍 | 37.2倍/10.5倍 | 0.20% | 22.5倍 |
| スタンデックス | 1.2倍 | 30.1倍/4.2倍 | 0.52% | 2.6倍 |
| AZZ | 3.1倍 | 21.4倍/3.0倍 | 0.60% | 2.5倍 |
| ランバス | 2.2倍 | 41.5倍/7.0倍 | 無配 | 3.9倍 |
※株価は2026年9月18日終値。PERは、スタンデックスが売却益を含む実績のEPS(除くとさらに高くなります)、AZZが会社開示の調整後EPSの基準です。売上の倍率は表の5期の最初と最後の比で、買収の分を含みます(AZZは5期の間に大きな買収があります)。
リスクもあります。電力設備は投資サイクルの影響を受け、パウエルに利益率0.2%の時期があったこと自体がその証拠です。送電網の建設が環境アセスメントや地域の同意で遅れれば、機器の需要も先送りになります。

まとめ|AIデータセンター関連の米国株は「距離」と「実力」で分けて見る
AIデータセンターの電力やサーバーに関わる米国の4社を見てきました。要点は3つです。
- データセンターとの距離は会社ごとに違う。パウエルとランバスは近く、スタンデックスは全社の1〜2割、AZZは間接的です。
- 利益率は一過性を除いて見る。4社とも実力で15%を超えていますが、3社は決算書の見た目と差がありました。
- 高値から下げても、過去5年で安いとは限らない(2026年9月18日終値)。PBRの位置は高い方2社・真ん中あたり2社で、低い方はありませんでした。
動画での個人的な見方は、どの会社も「今が買い時」と言えるものではなく、利益率が定着するか、追い風が全社に届くか、還元が続くか、競争で削られないかを確かめていく、というものでした。
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⚠️ 注意:この記事は個人の感想で、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。株価と指標は2026年9月18日の米国市場の終値で計算していて、日々変わります。過去5年のPBRの位置と計算上の株価は当ブログの計算で、株価の予想ではありません。米国株には為替の変動のリスクがあります。投資の判断は、最新の開示を確かめたうえでご自身で行ってください。

